「narrative」4/2~14

Room_412企画展「narrative」が、2019年4月2日(火)~4月14日(日)にかけて開催されます。開催地は渋谷区の Room_412 です。
kafkanako 氏のキュレーションによるグループ展で、青木香織 / 竹下真澄 / むくむくしたけもの など、本人含む7名のアーティストが参加します。
Room_412
ナラティヴ(narrative)という言葉は、物語、語りという意味です。語られた言葉、内容、語り口などを指します。音声や文字で表されるものだけではなく、語られる時の身振りや表情など非言語的なものも含みます。非言語的なものも含むということは、作家におけるナラティヴとは作品なのではないでしょうか。
ステートメントなど、作品だけでなく言葉で伝えることが重要視されていますが、まず必要なのは非言語的なナラティヴであり、その上で解説や作家自身との会話を通して意味を理解したり、想像力を広げるのがアートだと思います。また医療においてもナラティヴが活用されています。
痛みなど具体的な症状のほかに、受診したほうが良いと考えるにいたった気持ちや、治療への期待といったものがあり、こうした気持ちや期待は、患者自身のこれまでの人生や考え方、信条が関係しています。こういった患者の心の奥深くからの語りを医療者側は真剣に受け止め、対話をして、それを深めることによって問題の解決を図ろうとしているのです。
人生や考え方、信条、それを作家たちは作品に込めますが、過去も現在も未来についても、まだ固定化できない状態です。人は現在と未来については、変えられると考えがちですが、実際には過去も再解釈により変化していきます。ナラティヴとは、この過去の再解釈による、現在と未来のさらなる変化を指しています。
ナラティヴの研究者、マーシャ・ロシターは、「ナラティヴは意味づけの行為であり、経験に意味を与えていく方法である」と示しています。経験がどういう意味をもち、固定化されない変化を持つ語りが、どう作品に反映されていくのか。一緒に物語を紐解きましょう。
アーティスト紹介
青木香織|Twitter
現在、嵯峨美術大学 大学院在学中。2017年度卒業制作展において大学賞・卒業生特別賞受賞。主に東京や関西を中心に作品を発表。
作家ステートメント:人間はさまざまな感情を抱き、時には感情に支配されながら日々を生きる。人間の感情がゆらめき、溢れ出す、その一瞬を「少女」という存在を通して描きとめている。
キセ サクラ|Twitter・Web
1997年 東京生まれ。武蔵野美術大学油絵学科 版画専攻入学。 現在同学科3年在学中。 2018年 ターナーアワード入選。
作家ステートメント:人と関わることによって生まれるものを描いています。
竹下真澄|Twitter
1978年静岡県静岡市に生まれる。愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻を卒業後、大学院美術研究科彫刻専攻を修了。2004年から個展・グループ展等で発表。2018年には武蔵野美術大学造形学部通信教育課程油絵学科絵画コースを卒業する。
現在は静岡県立清水南高等学校と、愛知県立芸術大学美術学部の非常勤講師を勤める。第21回国際瀧冨士美術賞を受賞、国内外から招待作家として展示に参加している。
作家ステートメント:ひとのかたちをつくることの意味。それは制作の中で私と作品との間で交わされるいくつもの言葉のやりとりである。ここに展示されているものは言葉のやりとりの先に現れたかたちである。
そして、誰かが言葉を語りかけることで、ひとのかたちをしたものがひととして言葉を発しはじめる。ここにまたひとつ、ひとのかたちをつくることの意味が現れてきた。もしかしたら、私が作品をとおして、多くのひとと言葉を交わしたいのかもしれない。
むくむくしたけもの|Twitter・Web
むくむく画家。 瞳のない少女や”けもの”の絵を描きます。
作家ステートメント:瞳のない少女や”けもの”を描く。うつろにも見えるその表情で、視線を定かにせず、鑑賞者を迎える。何かを強く訴えるのではなく、ささやく絵。聴き取ろうと近づくと、引き込まれる絵。目を背けると忘れてしまうような絵。繰り返し見ることのできる絵。 を描いています。
むすび|Twitter・Tumblr
1988年生まれ。京都在住の絵描き。嵯峨美術大学短期大学部イラストレーション科卒。アトリエ「空白」企画公募展『鏡の中の少女性』最優秀賞受賞。アートイベント、公募展、企画展、個展などで活動中。
作家ステートメント:透明水彩と色鉛筆で、温かさと冷たさが共存する凪いだ瞳の少年少女を描いています。自分の心に素直に寄り添って、必要なものだけを。幾何学模様、形のないもの、余白の美しさが好き。
escocse|Twitter・Instagram
沖縄県出身 静岡県在住 2003年頃から活動を開始。書籍の装丁画やミュージックビデオの美術、アニメーションなど多岐に活動を広げる。2016年に個展「ふきげんなよる」にて9年間に及ぶドローイングをまとめた「ふきげんなあいつ」を刊行。
作家ステートメント:少女をモチーフに、孤独と光と体温を自身の記憶に重ねて描いています。
kafkanako|Twitter・Web
Artist / 山高帽の女 2017年1月に頭蓋骨に穴を開け脳の手術をする。 その後5年ぶりに制作を再開。自身の経験から命について思考した作品を、技法や手法にとらわれることなく表現する。
作家ステートメント:「創」という文字には「刃物による傷」という意味があります。「創」とは「傷」です。そして創造には「想像」が不可欠です。私は私の致命傷を表すことで、あなたに傷を負わせたいのです。
引用:プレスリリース
「narrative」
イベント詳細:Room_412
期間:2019年4月2日(火)~4月14日(日)
開催時間:11:00~20:00
休日:無休
会場:Room_412
所在地:東京都渋谷区桜丘町15-8 高木ビル412号室