展示レポート
5COLORS|會田千夏・大谷有花・呉亜沙・柳ヨシカズ・山田純嗣
2018年3月に開催された、會田千夏・大谷有花・呉亜沙・柳ヨシカズ・山田純嗣 の5名による絵画展のレポートです。
主に平面作品を制作している作家たちの新作がメインに展示されます。各氏アートフェア、VOCA展などに出品歴があります。
展示のようす
柳氏は1977年群馬県生まれ。2001年に筑波大学大学院を修了し、2000年頃から各地で展示活動を行っています。自身を「生真面目な性格」と述べており、シンメトリーを用いた油彩画を制作しています。
「shout」は少女の泣き顔に生クリームと花の形が重ねられています。叫び声がファンシーな色をともなって耳に届くような、胸をはっとさせる作品です。
「shout」は少女の泣き顔に生クリームと花の形が重ねられています。叫び声がファンシーな色をともなって耳に届くような、胸をはっとさせる作品です。
アルパカのフィギュアがモチーフになっています。ろうのような不思議な質感、光沢が、眼前に飛び出してくるかのように忠実に描かれています。また耳が描かれていません。「足りない」ことを描くのはとても面白く、「たす」ではなく「ひく」で表現することが性に合っていると、柳氏は語ります。
左上の2点はオウムの横顔をもちいた、不思議な生き物の肖像画です。テレビでお馴染みの着ぐるみキャラクターにそっくりです。
呉亜沙氏は1978年神奈川県生まれ。東京都芸術大学大学院を2003年に修了し、2001年ごろから展示活動を多数行っています。絵画のほか、立体、インスタレーションなど様々な手法で作品を制作しています。
呉亜沙氏は、作品を通じて自分と他者の関わりを表現したい、と述べており、今回の新作ではそれらを再考した作品が展示されました。
呉亜沙氏は、作品を通じて自分と他者の関わりを表現したい、と述べており、今回の新作ではそれらを再考した作品が展示されました。
呉亜沙氏はウサギをモチーフにした作品を多数制作しています。ウサギの着ぐるみを来た子どものように見える絵画「きにする」。耳を立て、ひげをぴんと張り詰め、そばにいる人のことでさえ警戒してしまう。
誰にも知られることなく抱える心の中の臆病な自分。そんな複雑な想いが、可愛らしいタッチで表現されているようです。
誰にも知られることなく抱える心の中の臆病な自分。そんな複雑な想いが、可愛らしいタッチで表現されているようです。
大谷氏は、1977年神奈川県生まれ。2003年に多摩美術大学大学院を修了し、2001年頃から数多く展示活動を行っています。
当作品は「ウサギねずみの対話」シリーズの最新作です。左側のウサギねずみは5色の玉が入った透明な玉を、右側のウサギねずみはトランプとロケットが入った玉を持っています。
前者は、違う色の玉が集合体を形成しており、お互いを認めあう共存共栄の対話の形を表現しています。後者は、緊張関係が続く極東情勢を象徴しており、武力ではなく理性的にお互いを認め合う対話の重要性を問う作品になっています。
当作品は「ウサギねずみの対話」シリーズの最新作です。左側のウサギねずみは5色の玉が入った透明な玉を、右側のウサギねずみはトランプとロケットが入った玉を持っています。
前者は、違う色の玉が集合体を形成しており、お互いを認めあう共存共栄の対話の形を表現しています。後者は、緊張関係が続く極東情勢を象徴しており、武力ではなく理性的にお互いを認め合う対話の重要性を問う作品になっています。
2013年から制作が始まった「はなすがた」シリーズ。目には見えない日本的な感性、美意識を、油彩をもちいて花々で表現しています。秋田県で生活する中で出会った花々を観察し描いています。
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