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展示レポート

Haruka Takaoka 個展|Clean Freak

「Agneau sternopagu(子羊の胸骨切開)」

 

「悪魔っこ」

 

氏が好きだという寿司がモチーフになっています。

解説・鑑賞後記

2017年12月に開催された、Haruka Takaoka 氏の個展「Clean Freak」です。氏は2013年から展示活動を多数行い、現在はペインター・イラストレーターとして栃木県、東京都内を中心に活動しています。

本展は氏の初個展となり、展示タイトル「Clean Freak」とは潔癖症を意味します。内蔵や骨、血液など様々な要素を用いて、グロテスクを美しく表現した作品が出展されます。会場では画集・キーホルダー・ポストカードなど各種グッズが販売されており、似顔絵のオーダー制作なども行われました。

あられもなく手足を投げ出し、内臓を露出させた女性たち。切り裂かれた皮膚、てらてらとした光沢を映しながら粘液をしたたらせるようなリアルな内蔵。体を食い破るように這い回る蛇の骨など、強烈なモチーフに目を奪われます。

日本画を思わせる落ち着いた色使いは、間近で見ると血管が透けそうなほど、繊細に彩色されているのが分かります。痛々しく暴力的な作風、特に内臓や血液などのモチーフは、通常であれば恐ろしい悲鳴や汚らしさを連想させます。

しかし氏の作品から感じるのは、それらとは対称的な森閑とした静けさ、退廃的な世界に溶け込むような美しさです。遠くを見つめるような視線、苦痛とは無縁のやすらぎさえ感じさせるような表情。飾り気のないニュートラルな姿を、自らの内蔵・血液が更に魅力的に引き立てているようです。

氏は展示タイトル「Clean Freak」の通り、潔癖症であると話します。そのため汚らしいグロテスクは受け入れられず、自身が美しさを感じる女性の生身の肉体と、哺乳類以外の生物がモチーフになってます。

潔癖症にも関わらず、なぜグロテスクな作品を描くのか。それは、H・R・ギーガーや球体関節人形などを好む両親の影響で、幼い頃からアンダーグラウンド芸術、耽美作品に興味を持ち見慣れていたためであると、氏は話します。

氏にとってグロテスクとは汚いだけのものではなく、美の表現への可能性を秘めたテーマなのです。それゆえ作品の女性たちは皆生きており、死体は描きたくないのだと氏は語ります。

目を覆いたくなるような凄惨な状態にも関わらず、嫌悪感をもたらすような汚らしさとは異なる、奥ゆかしい静けささえ漂わせるような独特な美しさ。美という表現の一端、あらゆる相反する素材が融合するという、一種の到達点を感じさせるような素晴らしい展示でした。

展示情報

展示名:Clean Freak
作家:Haruka Takaoka(ハルカタカオカ)|ウェブサイトツイッターフェイスブックグッズ通販
期間:2017年12月11日(月)~12月17日(日)

展示場所:Gallery 螺旋(杉並区高円寺)
最寄り駅:高円寺
所在地:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3-45-1 ​永和ビル304