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展示レポート

久保田順子 個展

展示のようす

「恋の予感」

 

「小さい秋 みつけた」

 

「青い珊瑚礁 Ⅱ」

 

「インディゴ・ブルー・ナイト」

 

「再生」

 

「先の大納言」

 

「葵と薫」

 

「秋のごほうび」

 

「秋・三題 紅葉 雨 たけなわ」

 

解説・鑑賞後記

2017年10月に開催された、久保田順子 氏の絵画展です。氏は宮城県仙台市を活動拠点としており、2005年ごろから箔を用いた作品制作を行っています。地元では複数回展示を行っていますが、東京での個展は今回が2回めになります。

今回の展示作品は2017年6月~9月ごろに制作され、インディゴブルーと展示が開催される秋をイメージした作品が並びます。氏はもともと油彩による抽象画を制作しており、その時の作風が変わらず箔に引き継がれています。

窓から見える外の景色・植物・季節などがモチーフとなっており、タイトルにもそれが現れています。しかし作品名やモチーフには縛られず、感性のままに自由に作るように努めています。

作品はインディゴなどで染めた紙を土台とし、その上に箔を貼り付けて制作されます。金箔・銀箔・色箔(アルミ、銀白などの上に塗料を吹き付けた製品)などを、精密に切り抜き重ねるという工程は、大変な労力を要する極めて細かい作業です。

うねるような藍色、駆け抜ける波のように大胆に用いられた金箔は、絢爛豪華といった眩しい印象をもたらしますが、同時に心を落ち着かせるような上品な輝きを放ちます。装飾的な模様と絵が入り混じり、それぞれが自由に重なり合う様子は、何物にも縛られないという伸び伸びとした自然の力を感じます。

氏は箔を始めてからの12年の間に、映像制作なども行っていました。色彩豊かな富、優しさにあふれる恵みを引き連れるように訪れ、風と共に去ってゆく。季節が留まることなく流れ行く様子が、平面の中に何層にも連なって描かれているように感じるのは、氏の豊かな感性と多岐に渡る制作経験がもたらす物なのかもしれません。

絵画という平面性、額という境界を忘れさせるような、信じられないほどの広がりと奔放さを見せる作品たち。限られた領域の中に自然の魅力を、時間ごと閉じ込めてしまったかのような綺羅びやかな美しさに、圧倒される展示でした。

展示情報

展示名:久保田順子 展
作家:久保田順子(クボタジュンコ)
期間:2017年10月23日(月)~10月28日(土)

展示場所:ギャラリーアートポイント
最寄り駅:新橋
所在地:東京都中央区銀座8-11-13 エリザベスビルB1