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展示レポート

野又穫 展|ascending descending

2018年3月~5月にかけて開催された、野又穫 氏の個展「ascending descending」のレポートです。

野又氏は1955年東京都生まれ。1979年に東京藝術大学を卒業し、1986年に初個展を開催。以後数多く展示活動を行い、現在は女子美術大学で教鞭を執っています。

野又氏はドローイング、版画、立体など様々な手法を用いて、実在しない空想建築を描き続けています。本展ではバルーンをモチーフにした絵画が展示されます。

展示のようす

▲空を支配するような入道雲、かすむ地平線。バルーンの下部に見える綱のような物体は、バルーンから垂れ下がっているようにも、バルーンと大地をつなぎ留めているようにも見えます。

茫漠とたたずむ何もない陸、やわらかな陰影表現と褪せたような色合いは、音のない沈黙の世界を思わせます。そしてそれゆえ、バルーンが途方もなく巨大なものに感じるのです。

▲バルーンと建築物の中間のような造形。綱を切れば、またたくまに空に浮かび風に流されてしまうようであり、その一方、硬質な素材で作られた未来的な建物のようにも思えます。

遮るものが何もない空虚な大地が意味するのは、荒廃し見捨てられた未来の地球の姿でしょうか。あるいは、まだ生命が陸にあがる前の遠い過去の姿でしょうか。様々な物語を考えずにはいられない、想像をかき立てる作品たちです。

▲佐賀町アーカイブは、アーツ千代田 3331の地下にあります。廊下に面した壁がガラス張りになっており、外からも中の様子を伺うことができます。

展示情報

展示名:ascending descending
作家:野又穫|ウェブサイトTwitterFacebook
期間:2018年3月7日(水)~5月27日(日)

展示場所:佐賀町アーカイブ
開廊日:金・土・日・祝 13:00〜19:00
最寄り駅:東京メトロ銀座線 末広町駅

所在地:東京都千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田 3331 B110

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