1. HOME
  2. 展示レポート
  3. 岡田博幸 個展

展示レポート

岡田博幸 個展

展示のようす

「集の変容」

 

「集の領域」

 

「集積された空間」

 

「集積と分離」

 

「集の領域」

 

「集の空間」

 

「集の変容」

 

「不確定な形」

 

「穴」

 

解説・鑑賞後記

2017年11月に開催された、岡田博幸 氏の絵画展です。氏は80年台から各地で展示活動を行い、現在までに40回以上の個展を開催しています。またモダンアート協会会員として長年に渡り活動を続けています。瓦礫のようなあるいはリボンのような奇抜な形状が、錯視のように立体的に重なり合っています。パネルという現実との境界がなければ、独創的な異空間の中にどこまでも落下してしまいそうなほど、果てしない奥行きと世界観の広がりを感じます。

作品は2メートル近い大型の物が多く、近くで視界を覆うように鑑賞すると、まるで意識が吸い寄せられ体が浮遊するような感覚に陥ります。無限の広がりを誇る宇宙空間のような圧倒的な闇。

その中でまるでどこからか漂い、互いに引き合ったり反発し合ったり、そんな反応を重ねてやがて整然とした重なりに落ち着く。まるで宇宙を放浪する岩やガス、流星が集まって星を形成するような、そんな長大な時の経過を思わせます。

朽ち果てた瓦礫のように鋭く硬質に、あるいはリボンのように柔らかくしなやかに描かれる謎の物体。奇妙で現実離れした世界観は一見すると鮮やかで賑やかな印象を受けますが、作品の前に立ちじっくりと鑑賞していると、やがて圧倒されるような静けさを覚えます。

穿たれ、引きちぎられたかのような鋭利な断面。これらは長大な時の記録のようであり、修復されることも更に朽ちることもなく、整然と折り重なってただそこに存在している。その純粋な存在感、物質感が、深い海底のような絶対的な静寂を思わせるのです。

鮮明な色彩にも関わらず、温度を感じさせない幾何学的な形状は、様々な動きを想像せます。舞いながら円を描くような、愚鈍に画面を横切るような、または風に激しくなびくような……。時や空間さえ超えて、あらゆる場所からあらゆる動きを経て現在の領域に集まった。そのような物語が脳内に自動的に投射されるようです。

驚いたのは、近くで見ても立体感がまったく損なわれないことです。グラデーションでごく自然に描かれた影、鮮明な境界線、空間を感じさせる色使い。これらがまるでデジタルのような精確な技術で表現されているため、むしろ接近するほど、迫りくる世界観に飲み込まれるような感覚に陥ります。

人間が未だ知ることのない領域。五感さえ支配されるようなリアリティ溢れる描写に、ただただ息を呑むような展示でした。

展示情報

展示名:岡田博幸 展
作家:岡田博幸(オカダヒロユキ)
期間:2017年11月6日(月)~11月11日(土)

展示場所:ギャラリーアートポイント
最寄り駅:新橋
所在地:東京都中央区銀座8-11-13 エリザベスビルB1