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展示レポート

RENbear 個展 | 荊の庭

展示のようす

個展では初公開となる新作です。
大きさが約60センチで、氏の人形作品の中では最大になります。

「金糸雀」(鳥籠付き)

個展では初公開となる新作です。

手のひらに収まるような、レジンキャスト製の可愛らしい作品です。

個展では初公開となる新作です。

会場に多数並ぶ写真作品。これらは作家自身が撮影したものです。
作品集の制作も考えているそうですが、人形を作ると沢山撮影してしまうため、整理が大変だそうです。

解説・鑑賞後記

2017年10月に開催された、人形作家・RENbear 氏の個展「荊の庭」です。昨年の10月に自由帳ギャラリーで初個展を開き、今回は2回目の個展になります。氏はアクセサリーや漫画など、様々な創作活動を経て人形制作を開始しました。西洋アンティークやゴシック、ロリータなどに長きに渡って惹かれ、自らの内側に存在する世界観を再現するために、様々な手法で作品制作を行い、その多岐にわたる活動の中で人形作りが始められました。

そのため、一見すると様々なジャンルに見える作品たちにも、氏の思いに基づいた共通した世界観があるのです。また氏は幼い頃より人形・ぬいぐるみを好み、漫画を書いているときから絵を立体で表現したいという想いがあったそうです。

がらんどうのような目、開きかけた口元、力なく四肢を垂らし首を傾ける人形たち。彼らは美しくも汚された衣装と相まって、打ち捨てられた廃墟の中で横たわりながら、誰かの帰りを待っているかのようです。

眼帯で覆い隠され、包帯を巻かれた体は痛々しく、寂しさや悲しさを超えた、言葉では表し難い退廃感を覚えます。凹凸の抑えられたスレンダーな体躯、か細い手足はこの世のものではないような不安を掻き立てますが、同時に人間にはない美しさを漂わせています。

繊細に色付けされた体は、指の一本一本に至るまで実に細かく造形されており、氏の制作における強い想いが垣間見えるようでした。人形にモデルは存在しません。氏が思い描く姿を表現したいままに、自由に制作を行っているからです。

玩具のようなぬいぐるみ作品は、やわらかな色合いと丸っこい形が温かみを感じさせますが、なにやら不満げな表情は、自らを放って遊びに出てしまった子供をいつまでも見つめているかのようです。

展示空間を覆うもの悲しげで重々しい雰囲気は、時代も国も超えた別世界のよう。これは何ものにも縛られずに、自らの心の内を再現するべく制作を重ねてきた氏だからこそ、伝えられることなのでしょう。

展示情報

展示名:荊の庭
作家:RENbear(レンベアー)| ブログツイッター
期間:2017年10月17日(火)~10月22日(日)

展示場所:自由帳ギャラリー(杉並区)
最寄り駅:高円寺駅
所在地:東京都杉並区高円寺北2丁目18−11