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「セコンドハンド」10/28~12/2

グループ展「セコンドハンド」が、10月28日(日)〜12月2日(日)にかけて開催されます。場所は千代田区の アキバタマビ21 です。出展作家は 衛藤隆世小池奈緒西尾佳那鷲尾怜wimp の5名です。

また下記の日程でイベントが開催されます。

オープニングパーティ

10月28日(日)17:00〜

シンポジウム

11月10日(土)18:30〜
ゲスト:港千尋 氏(写真家/映像人類学)、小池ん 氏(新しい人代表)

セコンドハンド は“secondhand”と記述し、主に「中古品」の意味として用いられる。“used”が「使ったもの」と直接的な意味であるのに対し、“secondhand”は「secondhand-information(受け売りの/また聞きの情報)」、「secondhand-smoking(受動喫煙)」など、一度人の手に渡っているといった間接的なニュアンスで用いられる。
しかし一聞しただけでは、本来の意味である「中古品」ではなく「(ボクシングにおける)セコンドの手」や「ふたつめの手」といったような意味合いで誤読する可能性のある言葉である。

本企画展においてのセコンドハンドは「中古品」でも「また聞き」でもあるし、あるいは「ふたつめの手」でもある。例えば、ニューエラの金シールは本来サイズ表記のためのものだが、それを貼りっぱなしにして被るのがかっこいいといったような本来の意味とは転じた文脈でも機能している。
それぞれの文脈で意味がすり替わっているのではなく、それぞれの意味がそれぞれの文脈の上で他の機能を失わないまま機能している。
貼られたシールはサイズ表記をしていて、かつ本物である(あるいは、=悪さをしたことの)アピールをしながらファッションとしてのかっこよさも担保している、ということである。

水面下で機能している文脈を無視した結果、形骸化してはいるものの本来のそれとは別の文脈や異なる質感をまとっている、本企画展はそうしたセコンドハンド的な事象に焦点をあてる。

引用:アキバタマビ21

 

出展作家

衛藤隆世

MONSTER/モンスター(2018)

1993年 東京都生まれ
2018年 多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース 中退

衛藤隆世はCGを表現手法として扱うアーティストです。近年ではCGに描画されたもの(対象)は本来の目的から解放されて機能が無化されるということを問題としています。

しかし、描画されたものの形象の目的が美しくあることであった場合、美しいという機能は依然として備わってしまっています。そうした視点から今回はコカコーラクリアを題材に新作を制作します。

対象をCGで描写するといった行為自体を提示することによって、その対象が存在しなければならなかった必然的な機能美をそのまま作品の美として接続させることを試みます。

小池奈緒

How to make idol/かもしれない三つ葉(2016)

1994年 北海道生まれ
2016年 多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース 卒業
2018年 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程デザイン専攻情報デザイン研究領域 修了

小池奈緒は、テレビや雑誌などのメディアを通して触れるイメージとしての存在のリアリティーを問題としています。

好きなアイドルを目の前にした時の違和感をきっかけに、画面の内外あるいは2次元と3次元といった複数のメディアを往還する半透明な存在=アイドルとして、彼らと向き合うことでメディアとリアリティの問題について考察してきました。

今回の作品では、現実とフェイクを曖昧に接続することで顕在化されるありのままの現実について考えます。

西尾佳那

Journey of Developing Self-Cognification(2017)

1994年 神奈川県生まれ
2016年 東京造形大学美術学部絵画専攻 卒業
現在、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻 在籍

西尾佳奈は、自身あるいは特定の物、人物のアイデンティティが状況に応じて変容する様子や、自身をコントロールし異なるアイデンティティに適応しようとする試みを通して、新たな思考の形成、無意識化での立場や状況の寄生などの人間心理について思考しています。

今回の作品では、旧石器遺跡捏造事件のリサーチから、”嘘”によって形成されたパラダイムシフトを事件を追体験するような行為から視覚的に思考する試みを行ないます。

鷲尾怜

BERLIN WALL/ベルリンの石(2017)

1995年 東京都生まれ
2018年 武蔵野美術大学造形学部映像学科 卒業
現在、京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻 在籍

鷲尾怜は、相反する事象への興味があります。特に作品のおける物語性について考えており、実生活で感じる作 品の不要性を克服することによって立ち上がる違和感をテーマとしています。

作品毎に形態や変えながら、物語 としての作品に作家としてどう対峙するかを問題としています。今回は作品における作者を考える新作を発表します。

wimp

PACKING SERIES(2016)

1992年 滋賀県生まれ
2016年 多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコース 卒業
2018年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻 修了

wimpは、ペイントをメインに立体、ビデオなど様々なメディアを通して、キャラクターの記号性や複数性を扱った作品を制作しています。

wimpはキャラクターは、記号によって同一性を保っているようにみせかけているが、その形は常に変容し、メディアに依存している状態であるゆらいだ存在であると捉え、その「ゆらぎ」を増幅させることを試みてきました。

これまでの作品はキャラクターの身体が持つシンボルとしての機能と曖昧さについて取り扱ってきましたが、今回の作品ではキャラクターをもう少し広義に捉えることでキャラクターに内在している、あるいは持ち得る意味に対してフォーカスを当てています。

 

「セコンドハンド」

イベント詳細:アキバタマビ21
期間:2018年10月28日(日)〜12月2日(日)
開催時間:12:00〜19:00(金・土 ~20:00まで)
お休み:火曜

会場:アキバタマビ21
所在地: 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202 ※末広町駅

 

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